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東京都千代田区の弁護士事務所(一般民事、離婚、遺言、相続、交通事故、後見・財産管理 等)

Q & A遺言~長男には財産を渡したくない

お知らせ

私は80歳の男性です。妻には先立たれています。こどもは息子と娘の2人ですが、ある理由から息子には財産を絶対に相続させたくありません。娘に全て相続させる、という遺言を書いても問題はないのでしょうか。

そのような遺言自体が無効となるわけではありませんが、相続人には遺留分という特別な権利があります。これは、遺言によっても侵害されない取り分というようなもので、遺留分を侵害するような遺言があった場合は、遺留分権利者である相続人は「私の遺留分が侵害されているからその相当額を支払え。」と侵害者に請求することができます。
※このケースの場合、遺留分は相続財産の2分の1ですので、各相続人(要するに兄と弟)の遺留分率はそれぞれ4分の1となります。
したがって、「娘に全て相続させる」との遺言を残すと、かなりの確率で息子さんから娘さんに対し「遺留分侵害額請求」がなされることでしょう。そうなれば、娘さんは相続財産の4分の1相当額を支払わなければなりません。

尤も、遺留分は放棄することができます。例えば、相続人であるきょうだい中ひとりだけにすべての遺産を相続させるとの遺言があり、ほかの兄弟がそれに納得しているような場合です。

なお遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間、または相続開始の時から10年で時効にかかります。ご注意ください。

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