弁護士ブログ

東京都千代田区の弁護士事務所(一般民事、離婚、遺言、相続、交通事故、後見・財産管理 等)

Q & A高齢者の財産管理~高齢の伯母の財産を守りたい

お知らせ

他県にいる伯母についての相談です。
伯母は88歳で、独居です。結婚歴はなく小学校教師を定年まで勤め上げ、ずっと独りで生活してきました。私は5年ほど前からたまに伯母宅を訪問し、家事の手伝いや粗大ゴミ捨て、買い物、庭の草とりなどのサポートをしてきました。伯母の健康状態に特に問題はありません。次の点を除けば。

伯母は知的で活動的で、旅行、観劇、書道、園芸などいろいろな趣味を楽しむ人なのですが、最近どうも会話が噛み合わないことが増えてきました。約束したはずの日に訪問したのに「あら、今日はどうしたのかしら。何か急用なの?」と言われたり、逆に「今日来るって言ってたのにどうして来ないの!困ってるのよ!」などと深夜に何度も電話がかかったり。先日訪問した際は冷蔵庫の中にたまごの10個入りパックが8パックも入っていました(繰り返しますが伯母は独居です)。

先日久しぶりに伯母の様子を見にいったところ、見慣れない着物(訪問着)と領収書(120万円)(伯母は着物は着ません)や屋根工事の見積書(300万円)などが居間に置かれていました。
「これどうしたの。」と私が聞くと伯母は「営業に来た人がとてもいい人だったから着物買ってあげたの。屋根はね、たまたま近くで工事してるという人がうちの屋根を見てくれて、このままだと雨漏りするから修理しないとまずい、ついでだから安くしておきますって。だからお願いするつもり。」と答えました。
そのほかにも、健康器具や健康食品類が雑多に積んであり、どうもいろいろな業者が入れ替わり訪問しているようです。このままで伯母は大丈夫なのかどうか、大変心配です。


このような結果を避けるためには成年後見制度が有用です。日常生活に関する行為以外の行為について後見に付されている本人(被後見人といいます)が行った行為は、後見人があとから取り消せます。この場合契約当時判断能力が低下していたかどうかの立証などは不要です。
伯母様の財産を守るために、この制度の利用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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