3年前、知人から借金をしました。すでに返済期限は到来しており、すぐにでも支払いたいのですが私にもいろいろ都合があり、まだ払えていません。知人からは何度か催促がありましたが、今すぐには払えないこと、あと1年は待ってほしいことを説明するなど、私としては誠実に対処したつもりです。
それなのに、先日裁判所から「訴状」が届きました。確かに私は期日どおりお金を返していませんが、訴えられ被告呼ばわりされたことにショックを受けています。私はどうすればいいのでしょうか。
被告という言葉が気になっていらっしゃるようですが、これは民事訴訟での単なる用語で「民事訴訟において訴えを起こされた人」といった意味です。ネガティブな意味などまったくありませんのでそこは気にしないでください(なお、刑事訴訟では被告人という用語が使用されます。これは刑事裁判を起こされた人、といった意味ですが、それとて、ネガティブな意味は~被告人は無罪推定を受けますので~ありません)。
さて、民事訴訟で被告となった場合はその手続に応じるほかはありません。
あなたのケースとは異なりますが、例えば非常識な訴えを起こされたようなとき「なんで私が訴えられるのだ、原告の主張していることはめちゃくちゃだ。嫌がらせにも程がある。相手にするのも馬鹿らしいので裁判なんか無視する。」とばかりに裁判所の呼び出しを無視したり書面を一切出さなかったりすると、原告の主張を全て認めたとされます(これを「擬制自白(ぎせいじはく)」といいます)。
この状況で特に何もしないと原告の望むとおりの判決が下されてしまう危険性があります。
訴えられた場合は、とにかく原告の主張に対し自分の言い分を主張することが第一です。
民事訴訟は、主張の往復を経て、立証しなければならない事実は何かを明白にし、証拠調べを行い、それに基づいて裁判所が事実認定を行う手続です。原告被告いずれも当事者として十分な主張と立証を行わなければなりません。
なお、裁判中に和解により解決することもあります。その意味からも、ショックを受けていないで積極的に訴訟活動を行いましょう。